春の訪れを感じさせるしだれ梅はとても美しく、見とれてしまいますよね。しだれ梅を自分で育ててみたいと思う方もいるでしょう。
しかし、そうはいってもしだれ梅の剪定は難しそうだし、やり方がわからなくて諦めているという方も多いのではないでしょうか。また、今しだれ梅を育てている方も、剪定方法がよくわからなくて苦労している方も少なくないと思います。
そこで今回は、しだれ梅を自分で剪定する場合の方法、また業者に依頼する場合のポイントを詳しくご説明していきます。
目次
しだれ梅の剪定方法と注意すべきポイント
しだれ梅は、鉢植えと地植えの場合で剪定時期や剪定方法が違うので注意が必要です。以下で解説していきます。
しだれ梅の剪定時期
しだれ梅の剪定はいつすればいいのでしょうか。葉が生い茂る「夏にしたほうがよいのでは?」と思うかもしれませんね。しかし実は夏に剪定はおこなわないほうがよいのです。
地植えのしだれ梅の剪定時期は冬場(10~1月)がよいといわれています。夏に剪定してしまうと、切った場所から芽を出そうと栄養が集中してしまうため、花芽が少なくなってしまいます。
しだれ梅の剪定は休眠状態になっている冬がベストです。夏間に剪定をおこなうならば、枝が増えすぎる場合に少しだけ整える程度にしましょう。
鉢植えの場合は、花が咲き終わったあとにコンパクトに樹形を維持しなくてはなりません。そのため、花が咲き終わったあとから葉が出る前の間に剪定をしていきましょう。
剪定のしかた
地植えの場合は混みあっている枝や内向きの枝、下向きの枝、そして弱く細い枝の余分な枝を切り落とすようにしましょう。
このとき、ふっくりとふくらみのある花芽を確認して5~6芽残しておきましょう。しだれ梅はたくさん枝を生やします。少し切りすぎてしまったと感じるくらいでちょうどよいのです。
鉢植えの場合は枝を二分の一から三分の一になるように切っていきます。このときに花が咲いた枝には新芽を2~3芽残すようにし、新しい枝の芽は取り除かないように気を付けましょう。
剪定のポイント
しだれ梅は枝がとてもかたいので、剪定バサミだけでは切れないかもしれません。なかなか枝が切れない場合はノコギリを使うことをオススメします。
力もいる作業ですし、切り落とした枝はかなり鋭くなっています。安全面には十分に配慮しておこなうように心がけましょう。
剪定は害虫と病気予防の役割も果たしているので、剪定が甘いと害虫の被害に遭ってしまいます。また、剪定が甘いと草木がすぐに生い茂ってしまいますので、幹への日当たりもよくありません。
思い切って多めに枝を切ってしまったほうがいいでしょう。きっちりとした剪定を毎年するようにし、しだれ梅を美しく維持しましょう。
しだれ梅が開花しないときは、どうしたらよい?
「せっかくしだれ梅の剪定をしたのに開花しない」という方も中にはいるかもしれません。しかしこれには原因があるのです。以下でしだれ梅が開花しない原因と対処方法をご説明していきます。
なぜ開花しないのか
しだれ梅が開花しない場合は、剪定する時期を間違えている場合が多いです。前章でもご説明したように、夏に剪定してはいけません。
鉢植えと地植えの場合でも剪定時期が異なりますので、正しい時期に剪定をおこなうようにしましょう。
開花を促す剪定方法
しだれ梅は放っておくとたくさんの枝を生やしてしまい、どんどん茂ってしまって幹への日当たりが悪くなってしまいます。正しい時期、方法でおこなうようにしましょう。
また、古い枝には花がつきにくいため、古い枝を切り、新しい枝を残すようにして新しい枝に栄養が行き届くようにするのが大切です。万が一剪定する時期や方法を間違えてしまったら、一度業者に相談してみましょう。
これであなたもお手入れ上手!しだれ梅の手入れ方法
しだれ梅の剪定以外にもしだれ梅のお手入れはかかせません。お手入れをするのがとても大変ですが、だからこそ美しく咲いたらとてもうれしいですよね。しだれ梅をより美しく咲かせるためにも、以下では剪定以外のお手入れ方法をご紹介していきたいと思います。
水やり・肥料
地植えの場合の雨水で十分なので水やりは必要ありません。鉢植えの場合は秋と春は1日に1~2回程度、夏は朝と夕方に分けて1日に2回おこないましょう。冬の場合は2~3日に1回がオススメです。
肥料はしだれ梅を植え付けるときに穴の底に「緩効性肥料」を入れるといいでしょう。効果がゆっくりあらわれ、効果が長続きします。その後は5月、6月、9月の3回に分けて有機肥料を入れる、しだれ梅をしっかり成長させるようにしましょう。
日当たり
しだれ梅は日陰でも育ちますが、日当たりのよい場所のほうが花は多く咲きますので、できるだけ日当たりの良い場所で育てるように心がけましょう。
害虫対策
しだれ梅は「アブラムシ」「カイガラムシ」「ハマキムシ」などの害虫の被害にあいやすいので注意が必要です。害虫対策には正しい剪定をすることがもっとも大事ですが、害虫を見つけてしまったら除菌剤や殺虫剤でしっかりと駆除するようにしましょう。
剪定ってどうしてもやらなければダメ?
ここまで剪定の時期や方法、注意点などを解説しましたが、「剪定ってめんどくさいし、やらなきゃだめなの?」と感じてしまう方もいるかもしれません。
しかし、しだれ梅を美しく咲かせるには剪定をすることはとても重要なのです。
剪定をしないリスク
剪定をしないとどんどん枝数が増えていき、見た目も悪くなってしまいますよね。枝数が増えることで見た目以外にもさまざまなリスクがあるのをご存知ですか?まず、幹まで日が当たりにくくなります。日が中まで当たらないことで花が増えにくくなってしまったり葉が枯れてしまったりするのです。
また、剪定は害虫対策の役割も果たしているので、剪定をしていないと気づいたときには害虫がびっしり…なんていうこともあり得ます。そうならないためにも、日頃から剪定をしっかりおこなうようにしましょう。
面倒なら業者に依頼
そうはいっても、しだれ梅の剪定はめんどくさいもの。手入れをする時間もないけど美しいしだれ梅を楽しみたいという方も少なくないでしょう。そんなときは業者に依頼してみるのも手です。自力で剪定するよりも、安全で的確に剪定してもらえることができますよ。
どんな業者が安心なの?より良い剪定業者の選び方
はじめて剪定業者に頼む方は、まずしだれ梅の剪定業者選びに悩むかと思います。たくさん業者があるとどこに依頼していいのかわからないですよね。そんなときは以下のことを参考にしてみましょう。
実績が多い
実績が多いということは、それだけたくさんの経験をしているスタッフが多いということ。信頼できる一つの指標といってもよいでしょう。その業者がどのような施工をおこなったかについては、実際に業者に問い合わせてみるのもありです。
インターネットで事例を紹介している場合もありますので、インターネットを確認するのもいいですね。
口コミが良い
業者に頼むときには口コミサイトを確認するという方も多いのではないでしょうか。できれば評判がいい業者にお願いしたいものですよね。口コミを確認することは大切な手段ですので、口コミサイトなどを確認してより安心できる業者を選びましょう。
追加料金がない
剪定に来てもらう際、出張費や追加料金がかかる場合もあります。追加料金が多くなり、こんなに料金を取られるはずじゃなかった…ということも十分にあり得ます。
そうならないためにも事前に料金を説明してくれる業者から相見積りを取るようにしましょう。それを踏まえたうえで、なるべく追加料金がかからない業者にしたほうが料金面でも安心できますね。
まとめ
今回はしだれ梅の剪定やお手入れを自分でやるときの方法や注意点、業者に依頼する場合の業者選びのポイントを解説してきました。しだれ梅のお手入れは大変ですが、頑張った分だけ美しい花を咲かせるので、やりがいは大きいものです。
お手入れする時間がないという方や剪定にお悩みの方でも、業者に依頼することで、しだれ梅を楽しむことができます。自分に合った方法を選択して毎年美しい花を咲かせましょう。
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